わが子の幸せを願わない親はいません。だから「結婚」は親にとっても一大事。
ところが残念なことに、子を想うあまり、ささいな事でも口を挟んだり、過剰な反応をする親御さんもいらっしゃいます。
でも、本人たちにとっての「幸せな結婚」とは一体どのようなものなのでしょう?
親にできること、親だからできること、一緒に考えてみませんか。
自分の子どもの事は、何でも知っているつもり!?
近年の「婚活」ブームにのって、最近では「親」による『代理婚活』というものがあるようですね。未婚の子を持つ親御さんが集まって、子の代わりに結婚相手を見つけようという仕組みらしいのですが、それって・・・ちょっと違和感を感じます。もちろん、親御さんの立場になってみると、いつまでも結婚しない(しようとしない)子を見ているのは、歯がゆいものですし、将来を思うと心配にもなります。
でも、ちょっと待ってください。
いくら「親」同士が意気投合しても、本人同士が、その気にならなければ、何も始まらないということをお忘れではないですか?などと言おうものなら・・おそらくこんな声が聞こえてくるでしょう。
「私の子どもの事なんだから、私が1番よく知っています」
「あの子の事なら、なんでもわかっています!好きなもの、嫌いなもの、好きな女性のタイプだってわかります!」
それはそれで、素晴らしい親子関係です。でも、もしかすると、親御さんの勇み足になっているのかもしれませんよ。まずは、お子さんと面と向かってお話をしてみてはいかがでしょう。生まれた時からそばで見守ってきたわが子も、社会へ出て、様々な経験を積んでいます。今まで気づかなかった新しい一面も見えてくるかもしれません。そしてお互いに「結婚」について真面目に話をすることで、今後の親子関係はもちろん、結婚相手と親御さんとの関係にも良い影響を与えてくれることでしょう。
例えば、よくあるのが母親が息子の恋愛やお見合いに口を挟んできて、上手くいかないケースです。息子のことを相手や仲人さんに伝えようと必死になるあまり、PRの内容を履き違えてしまうのです。本人の良さを伝えようとしているのですが、きちんと客観視できていないため、主観的で感情的な表現になってしまうようです。「うちの子は真面目なんです」「おとなしくて、繊細で・・・」など。
PRにはなっていないことに気づいていらっしゃらないようです。「私は息子を溺愛しているんです」と言っているようなもの。これではお相手だけでなく、仲人さんへの印象も悪くなるばかりです。お相手を紹介する気にはなれませんよね。
そして、父親と娘との関係(ファザコン)より母親と息子の関係(マザコン)の方が敬遠されるのは何故でしょう?父親が娘を大切に思う気持ちの中には、どこか娘への遠慮の気持ちがあり、少し距離を置いていて、あまり踏み込まないからかもしれませんね。ですから、息子が可愛くて可愛くてしかたがないというお母様方も、少し距離を置いてみると、息子さんの良い面も悪い面も見えてきて、仲人さんへもきちんと伝えられるようになるのでは?
ヘリ親とは?
空を旋回するヘリコプターの様に、子どもを常に観察している親のこと。米国人医師フォスター・クライン氏が、『愛情とロジックのペアレンティング−子供に責任を教える』という著書で使ったのが最初とされています。特徴としては
□子どものことに頭を突っ込み過ぎ
□子どもの生活を管理し過ぎ
□子どもの行動を守り過ぎ など
子どもの結婚を望まないわけではないのですが、結婚相手のことを親御さんの感覚で評価し子どもに押し付ける傾向があり、結婚後も異常なほどに干渉してくるのが特徴です。
「ヘリ親」にならないために・・・
誰しも「過干渉はしたくないけれど、愛情はたっぷり伝えたい」そう思いながら、子育てしてきたはず。ところが気がつけば自分も「ヘリ親」になっていた・・という親御さんへ。まだ今からでも遅くはありません。何が子どもにとって大切なのかを真剣に考えてみればよいのです。もし仮に今のお子さんに決断力が足りないと思うなら、本人が考えて決断するまで、とにかく黙って見守ってあげることです。この時に必要なのは「あたたかい目線」での「笑顔」。自分の子どもを信じて、ただただ見守ってあげることです。「子どもが自分の足で自分の人生を歩む力」をつけてあげることが真の愛情です。それが出来る母親は、子どもからも尊敬され、お互いに信頼関係を築くことができます。