街路樹は色づき、少し肌寒くなってきました。セーターが恋しい季節ですね。
今回のおすすめお出かけスポットは、山中温泉。
開湯1300年という歴史があり、松尾芭蕉も愛したといわれる温泉です。
風情ある街並みをのんびり散策してみませんか?
福井から車で1時間もかからず行ける山中温泉は、豊かな自然と伝統文化が色濃く残る町。芭蕉をはじめ古くから多くの文人墨客たちが訪れた温泉地として、また、山中節、九谷焼、山中漆器の故郷としても知られています。四季を通じて、美しい風景を楽しめますが、特に秋の紅葉はおすすめです。紅葉で美しく染まる渓谷や、情緒ある街並みを散策すれば心も穏やかに・・・。
そして、なんといっても古い歴史があるのも魅力のひとつ。
その昔奈良に都があった頃、行基という偉いお坊さんが加賀の国を尋ねたそうです。山の向こうに美しい紫雲がたなびき、これは不思議と山に入れば八十余りの老僧に出会い「ここには人々の病を直す結構な温泉がある。熱くもなし、ぬるくもなし、掘るべし」と言って姿を消しました。そこで行基はお伴の侍・狩野遠久と掘ったところ、あふれるように温泉が湧いてきたそうです。
その夜、行基の夢枕に再び現れた老僧は「われは薬師如来の化身なり。永くこの湯を守るべし」と告げ、目覚めた行基はこれを喜び、丸太に薬師佛を刻んで祠をつくり温泉のお守りとし、以来山中には多くの人々が病気を治しに訪れ、疲れを癒したとされています。ありがた〜い温泉なんですね。
長谷部神社を中心に広がる「ゆげ街道」、山中漆器や久谷焼などのギャラリーが多く軒を連ねています。また、街道にはカフェや食事処、美味しいスィーツのお店やあつあつコロッケをその場で食べることができるお店もあり、散策が楽しめます。
さまざまな体験を楽しむこともできます。例えば、シルクロ陶芸体験工房では九谷焼ろくろを体験できます。お店の2階が工房になっていて、先生が最後まで丁寧に指導してくれるので、初めての人でも大丈夫!お皿でもお茶碗でも思い思いの陶器を作ることができます。
ほかにも、伝統の技・漆器の蒔絵やろくろ木地挽きも体験できます。お酒が好きな人には地酒試飲体験、食いしん坊の人には菊の湯たまご手作り体験やそば打ち体験がおすすめです♪
山中温泉の総湯の前にある山中節のからくり時計。1時間ごとに「こいこい音頭」が演奏され、人形が唄ったり、踊ったり・・・その姿が、なんともかわいいのです。そしてこのからくり時計で会える名物「カメおばさん」をご存知ですか?ペットのカメをつれてお散歩していて、からくり時計から人形が出てくるとカメちゃんに見せてあげて、カメも喜んで一緒に踊るらしいのです!?ぜひ会いたいですよね〜。
そして「山中座」も見所のひとつ。菊の湯(女湯)に併設し、漆塗りの柱や格子戸風の壁面、蒔絵を施した格天井など山中漆器の粋を集めた格調高い造り。毎週土・日・祝日には、山中節の唄や、芸妓の踊りなど、山中伝統の芸能を味わえます。館内の内装は、のべ1,500名からなる山中漆器職人によって造られたそうで、一見の価値ありですね。